遺言・相続ブログ

2013年2月15日 金曜日

認知症と相続

   認知症と相続

 認知症の患者数が300万人を超えたとか・・・超えるとか・・・そんな新聞記事を以前に見ました。
 認知症の方が相続に関係する場合は、手続きがやや厄介なものになります。たとえば認知症の方が相続人のうちの一人となる場合なども相続手続きは複雑になります。そんお高齢のお父さんが亡くなり、高齢の奥様とその子供たちが相続する場合で、奥様が高齢であるがゆえに認知症になっている場合などは、当事務所へもしばしばご相談があります。
 このような場合はいくつかの方法があり、それぞれのご家族の考え方や状況などに合わせて検討し、遺産分割協議などをされるのがよろしいと存じます。今回はその一例を取り上げます。

 以上のようなケースで一つ考えられる方法は、認知症になってしまった奥様の後見人を選任し、その後見人と子供たちで遺産分割協議をするという方法です。
 後見人は、最近よく話題になりますが、認知症などで判断能力が失われた、もしくは大幅に低下した場合に、裁判所に申し立てをして選任してもらう、法定代理人です。認知症などにより判断能力が低下もしくは失われた方は、簡単に申し上げるならば、法律行為をすることができなくなり、本人にかわって法定代理人である後見人が法律行為を行います。遺産分割協議も法律行為ですから、本人は遺産分割協議ができなくなります。しかしながら、遺産分割協議は相続人全員ですることが成立の条件ですから、本人の代わりに後見人が参加することで、遺産分割協議成立、分割協議書作成そして署名捺印となるわけです。
 後見人は被後見人の財産を守るのが仕事ですから、家庭裁判所の管理下におかれています。毎年管理報告をする必要があります。もちろん分割協議成立後もずっと管理は続けなくてはなりません。たとえ後見人が家族であっても、被後見人の財産を自由にすることはできず、場合によっては横領となってしまいます。後見人の責任は重いのです。また、家族、特に遺産分割協議に参加する予定の者(たとえば、本件事例であれば、ご夫妻の子供)が後見人をやる場合は遺産分割協議をするにあたり、後見人と被後見人の利害関係が生まれます(利益相反)ので、相続人でもある後見人が、被後見人を代理し、なおかつ自身の相続人たる資格において、遺産分割協議に参加することはできないため、遺産分割協議については特別代理人を裁判所で選任してもらい、手続きを進めることになります。

  このように、遺産分割協議一つをとっても、認知症の方が関わってくると思いのほか厄介になってしまうこともありますので注意が必要です。ただし別な方法もあります。それについてはまた別の機会に記事にしたいと思います。


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投稿者 行政書士服部事務所